2012年10月1日月曜日

【投稿記事その1】天草とみつ夏の学校


今富探検の様子

投稿記事では、学生や地域の方々が、日々の活動を通して気づいたことなどを紹介していきます。今回は、崎津天主堂で有名な天草市河浦町富津(とみつ)地区で地域づくり活動に取り組む、熊本大学地域風土計画研究室(田中尚人研究室)修士2年の原嶋香菜子さんからの投稿です。

 日本各地で進んでいる「小学校閉校」という一見マイナスな出来事が、いつかプラスになるようなことを目指す、そんな素敵な取り組みだと思います。皆さんからのご意見感想協力応援、大歓迎です↓↓




「天草とみつ夏の学校」
(熊本大学地域風土計画研究室 修士2年 原嶋香菜子)



私の研究室では5年前から、文化的景観の取り組みを通して天草市河浦町富津地区と関わっています。そして現在は「富津ラボ」を拠点として活動を行っています。
富津ラボはこの地区唯一の学校であった富津小学校が閉校したことを受け、旧教頭住宅を田中研究室の活動拠点として設置したものです。
 
 その中で9月は、毎週金曜日と土曜日に「とみつ夏の学校」と題してワークショップを行いました。参加者のほとんどは小学生で、活動としては、「小学校が閉校しての〇と×」や「子どもたちの遊び場調査」、「まちあるき」、「富津太鼓教室」などを行いました。

特に第3回目には「今富探検ワークショップ」と題して、今富地区の田んぼや小川を歩きながら、生き物・植物を探すまちあるきを行いました。参加してくれたのは女の子だけでしたが、子どもたちは室内でワークショップをやっているよりもいきいきとしていて、“数珠玉”を使った遊びや“ダグマ”という魚を教えてくれたりと、子どもたちが普段から自然に身近な所で生活していることを感じました。また、私が思っている以上に、生き物などの自然から学ぶことや得られるものは大きいのだと感じました。何か参加者に意見を求めて形に表すことばかりでなく、子どもたちにとっての体験を、活動の中で大切にしていくべきだと思いました。

また、印象に残ったのは参加してくれる子どもたちや地元の方が『次の「〇と×」はいつあるんですか?』という感じで、私たち大学との活動が「〇と×」という言葉で定着しつつあることでした。この「〇と×」は、地域のいいところ(〇)・直したいところ(×)を地域を歩きながら見つけようという活動で、5年前から計3回この地区で行っています。
「富津ラボ」の設置も、そういったこれまでの活動の積み重ねがあったからこそできたことであり、そうした地域と大学とのつながり、信頼関係が言葉として表れていることに、嬉しくもあり、言語(orネーミング)の大切さに気付かされる出来事でした。

「とみつ夏の学校」としての活動はこれで一区切りですが、10月以降も活動を続けていきます。この活動をどう地域に還元していくのか、今大学が主体となって運営してるこの場をどう地域住民にシフトさせていくのか、これからが本当に大事になってくると思います。

少しでも興味のある方の参加をお待ちしています。

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